太陽を活用した冷却
太陽を活用した冷却
太陽を活用した冷却
フェデックス・グラウンド®の太陽熱空調
2021年1月18日
空気の冷却に太陽の光や熱をどのように利用できるのでしょうか?
ひっかけ問題ではありません。これは、フェデックス・グラウンドがイノベーティブな技術の力を借りて、太陽が降り注ぐフロリダ州ダベンポートの自身の仕分け施設にて実際に行っていることです。太陽熱空調システムは、貨物が仕分けられ、トレーラーに積み上げられる領域を冷却し、トレーラー内の温度を平均-6℃ほど下げます。これだけでも、夏場に貨物を扱う従業員にとっては快適さがまったく違います。現状では、拠点内に100個ある積み上げドアと荷降ろしドアの内19個に、この最先端のシステムが導入されており、快適性を最大限に引き出しています。
ご利用方法
生鮮品でない荷物を運ぶ大型のトラック・トレーラーは、断熱加工が施されていない場合がほとんどです。流通センターで太陽の下でトレーラーの積み下ろし作業をしていると、トレーラー内部の温度が不快なまでに上昇していまうこともあります。
ダベンポートのフェデックス・グラウンドのメンテナンス・チームは、太陽の力を借りて冷却した空気を使って、積み上げドアに停められたトレーラーに冷風を送り込める設計を編み出しました。屋根に取り付けられている太陽熱パネルが太陽光を取り込み、積み上げドアの上に搭載されている空調ユニット内の圧縮液を加熱します。これにより、空調コンプレッサーが担う作業が減り、電気消費量削減につながります。その後、冷風がファンに送られ、積み上げドアに停められたトレーラーに向けて冷たく快適な空気が送り込まれます。
「この太陽熱空調システムは、イノベーティブでありながらもサステナブルなシステムです」と、フェデックス・グラウンドのサステナビリティ・アドバイザーのグレッグ・フダクは言います。「ですが、最大のメリットは作業員の快適性です。貨物を処理する作業員は、あらゆる気候の中作業を行いますが、暑い天候の中トレーラー内を涼しく保つのは難しい課題でした。」さらに、グレッグによると、フェデックス・グラウンドの拠点は引き続き従業員の快適性をサステナブルに改善するイノベーティブな方法を模索していくとのことです。
太陽電気とはどのように異なるのでしょうか?
ソーラーパネルとして私たちが通常真っ先に思い浮かべる太陽光パネルは、太陽のエネルギーを集めて電流を生成します。この電気を使って、ライトや機器の電源を入れたり、電動自転車を充電することができます。フェデックスでは、現在16か所の拠点で太陽光エネルギーを活用して建物に電気を供給しています。
太陽熱技術は、太陽光発電とは若干異なります。太陽光発電と同様に太陽のエネルギーを活用する技術ですが、太陽エネルギーを電気に変換するのではなく、太陽光を使用して熱を生成します。ダベンポートに設置されているシステムの場合は、太陽によって空調に使われる冷媒に熱が加えられることで、このタスクに要する電気の量を大幅に削減することができます。また、太陽熱技術は、太陽光発電よりも効率的かつコスト面でも優れており、将来的には他のフェデックス施設の冷却にも活用できる見込みです。
どれくらいのエネルギーを節約できるのでしょうか?
このダベンポート・システムが導入されてから一年にも満ちませんが、節約効果は確かに期待できます。太陽熱空調システムを利用することで、空調コンプレッサーの作業量を40%削減できる見込みです。これにより、エネルギー需要を33%減らすことができます。これは、1万6,090キロワット時に相当し、一年で11.4トンのCO2e排出量を回避できることになります。平均的な乗用車の走行距離に例えると、2万8,229マイルの走行による年間排出量の回避に相当します。エネルギー消費や排出量の削減に加え、このシステムは空調機器自体の寿命を延ばす効果も発揮します。
「チームの皆は可能な限り効率的に仕事をこなしています」と述べるのはフェデックス・グラウンドの施設メンテナンス・マネージャーを務めるアラン・ニコルズです。「ですが、こちらも夏場はトレーラーの内部が暑くなることも理解しています。このシステムを活用することで、電力をあまり使うことなく皆が快適かつ安全に作業を行うことができます。皆が気持ちの良いソリューションだと思います。」